知床の大自然を味わう。
斜里町は世界遺産となった知床エリアを有する町で、大自然を満喫するには事欠きません。
テレワークの合間の休日には、周辺スポットを散策することができました。レンタカーを借りてしまえば市街地より先はほとんど信号のない道がつづき、海にも山にも囲まれた見事な景色のなかを気持ちよくドライブできます。観光ガイドを見てみると、斜里町から1時間くらいの範囲に見どころが一杯。1日や2日では到底回りきれないところですから、季節ごとにじっくりと滞在するのが良いと思います。
知床五湖の散策に際しては15分程度のガイダンスを受ける必要があります。それは知床の自然を守るためと、ヒグマに出会ったときや、そもそも出会わないようにする知識を身につけるため。出会ったときのことを考えると少し不安になってしまったのですが、何事もなく知床五湖の散策ができました。羅臼岳を背景にキラキラと輝く雄大な光景は、さながら地上の楽園といった雰囲気です。熊に出会うことはありませんでしたが、キタキツネや鹿は何度も見かけることができました。
空気だけでなく、水もおいしいのが知床という場所。斜里岳から集めた水の湧き出る「来運」の水汲み場は冷たい水が豊富に流れていて、誰でも水を持って帰れるようになっていました。おいしい上に幸運をもたらす水でもあるということですから、私たちもペットボトルに持ち帰ります。これで料理を作ったり、コーヒーを淹れたりしようというわけです。
近くにあるお蕎麦屋さん「らいうん」ではこの水で打ったお蕎麦をいただくことができましたが、これもとんでもなく美味しいのです。
今回なにより楽しかったのは、斜里町の人々とのふれあいです。休日にも関わらず町の案内をしてくださったり、観光では行けない場所に案内していただいたり、テレワークで訪れた私たちに色々な体験を用意してくれたのです。それがまた、誰かひとりというわけではなく出会ったすべての方々が親切に動いてくれることに、私たちは感嘆してしまうのでした。
斜里の町を歩く。
特に観光地に足を運ばずとも、町を歩けばそこには心地よい時間の流れがあります。真夏のいちばん暑い時期でも、流れる風はひんやりとしていて爽やか。忙しない空気やごみごみとした喧騒とは無縁の世界で過ごせるということが、都会から訪れる人々にとって一番の魅力かもしれません。
オホーツク海を眺め、素足で砂浜を歩く。そんな時間が心をスッキリとさせてくれます。
こちらの写真は北海道でも最も古い建物のひとつで、テレワーキングスペースのすぐ近くにありました。かつては役場であったというのですから、その風格にも頷けるというもの。
永年の風雪に耐えた建造物があちこちで見つかることが、町の歴史の深さを物語ります。
いい意味で観光地化されておらず、作られたわざとらしさがないのは、人々が生きてきた「本物」がこの町に残っているからでしょう。
一夜では醸成されない落ち着きのある町、そんな言い方ができるかもしれません。
駅前を花で一杯にしようという取り組みにも出会えました。その想いに賛同する方が集まって、少しずつ花畑が広がっています。
「ここにログハウスをつくろうと思っていてさ。バーベキューをやったり、お月見をしたりね。今度蕎麦打ち会もやるんだよ。」と、会を主導する赤木さんが案内してくれました。
次に訪れるときにはどんな光景が見えるのか、今から楽しみになります。
斜里町で過ごす休日は、こんな具合に流れていきました。
なんだか豊かな気持ちになるのは何故でしょう。こればっかりは、経験してもらわなければ伝わらないかもしれませんね。